クロヤツシロラン発見!!
(第46回)10月
クロヤツシロラン発見!!
アケボノシュスランが私の暮らす地域の野生ランシーズンを締めくくる、最後の開花になるのですが、
どうやら9月の中旬頃から10月初旬に咲く野生ランが、千葉県内に自生している可能性があることが
わかりました。
クロヤツシロランとアキザキヤツシロランです。葉はなく、菌従属栄養植物みたいです。
子供の頃から存在することも知りませんでしたが、関東近郊では多くの方がネットに掲載しています。
開花期間が4~5日くらいしかなく、とても小さいランなので、開花の個体を探すのは困難を極めるそうです。
ただ、咲き終わって種子になったものは茎を伸ばし、比較的発見が容易で、通常は種子の個体を見つけて
おいて、来年の開花時期にピンポイントで見に行くのが一般的(いや、こんなの見に行く人のどこが一般的か・・)
だそうです(全部ネット情報です)。
どこに生えているかなどの情報は一切なく、クロヤツシロランは雑木林、アキザキヤツシロランは竹林に生えるとの
事。
さすがにこれらを探すのは無理だと思いましたが、開花時期は今しかないので、ダメ元で
ナギランやヤツシロランと同じく菌従属系のタシロランが自生していた場所が、シイ系(何のシイの木かわからない)の
森でしたので、勝手にそんなところに生えているだろうと予想して出撃してみる事にしました。
私の持論では、ランがあるところには他のランもある可能性が高いと思っています(もちろん、すべての野生ランに当てはまりませんが)。
困ったときは、複数のランがあったエリアを探す事を探索の基本にしています。
誰かと一緒に探索する時には、複数のランを同じエリアで見つけると「ランはランを呼ぶんだよ」などと得意げに言っています。
前置きが長すぎて失礼しました。本題へ入ります。
最近はナギランの生息域(千葉県の北限)を調べていますので、ナギランでもあれば御の字という気持ちでした。
すでにタシロランの姿はなく、湿った森の中を地面を舐めるように探してみました。
これこそ「雲を掴む」ような事で、1時間ほど探索するも、
どんぐりしか見えず・・。
「絶望」という言葉が浮かんできました。
いつも私のページを見てくださるコア(奇特)な方々は、もしかしたら「結構見つけてるな~」なんて思っているかも知れませんが、
「カキラン」がどうしても見つからず何度玉砕したかわかりません。
「クマガイソウ」も結構探しましたが見つかりませんでした(クマガイソウは死んでも見つける予定)。
私の探索日記は何か見つけた時や開花更新の時だけ回数表示をつけて更新しています。
何も見つけられなければ、開花更新以外はボツです。
ですから、この2つのランを探していて気配が感じられないと、「このエリアにはない」と私の
センサーが絶望のシグナルを送ってくれます。
今回もシグナルが発せられていました。しかし、このセンサーは決して正確なものではなく、
私の弱い心がセンサーを揺さぶっているのです。「もう帰ろうよ」と・・。
そんな時は、私の格言「蘭はあると思って探さなければ見つからない」という言葉を口ずさんで対抗するのです。己と!
まあ、40パーセントは冗談ですが、さすがにネットの写真でしか見たこともなく、あるかどうかも全く不明ですので、
とりあえず諦めたわけではないのですが、ナギランを探してみることにしました。
すぐに白いものが目に付きました。
ギンリョウソウ?いや、秋に咲くものはギンリョウソウモドキと思われます。ランではありませんが、同じく菌従属系が
付近にあるとモチベーションが上がります。
すると、すく近くにカゲロウランが!こんな所にも生えているとは!
しかも咲いていました。どうやらカゲロウランの開花はこんな蕾みたいな感じで終わってしまう事が多いです。
これで開花と言ってもいいのかも知れません。
更にその近くにナギランを発見!数本生えている場所を見つけました。まさに格言どおり!?
ナギランの写真を撮るために近づくと、ふと何かが目に入ってきました。
まさか・・・、これがクロヤツシロラン!?ホントに見つけてしまいました!
予想していたよりも遥かに小さいランでした。
アキザキヤツシロランの可能性もゼロではありませんが、竹林以外では見かけないそうですし、
花を文献やネットで比べて見ましたが、クロヤツシロランに間違いなさそうです。
50円玉と比べてみました。
花だけで見つけるのは群生でもしていない限り、奇跡に近いです。
もう一つ見つけましたが、終わっていました。わかりますか?
マクロレンズを持っていないので、トリミングでアップ画像
開花が見られて最高でした!
この勢いでアキザキヤツシロランも見つけてみたいです。
今回の成果(コンプリート)
クロヤツシロラン(新発見!!)