子供の頃の記憶を辿りながら、千葉県の野生ランを探す

自生のクマガイソウついに発見!!

                

(第51回)04月

悲願!自生のクマガイソウついに発見!!


そろそろマメヅタランが咲く頃です。自生地は昨年発見したのですが、古木のかなり高い場所にしか生えていないので、 私のカメラ(レンズ)では、開花シーンはがはっきり撮れそうもありません。
マメヅタランの撮影は、この企画の最大の目的でもある、子供の頃に見た大群生地の探索です。
しかし、いまだ発見には至っていません。そこへ連れて行ってくれたおじいちゃんは既に他界しており、なす術がありません。
ですが偶然にもそのおじいちゃんの孫で、一緒に野山を駆け回った幼馴染のSinちゃんと数年ぶりに再会しました。
このSinちゃんは、私と同等かそれ以上の野生ラン探索能力を持っていました。
興味はないと思っていたのですが、趣旨を話すとあっさりと「行っみよう」という事になりました。
しかし、やはり場所は覚えておらず、とりあえず私がグーグルアースで絞り込んだエリアに行ってみようという話になりました。
懐かしく野生ラン談義に花を咲かせていると、かつて一緒に見つけたクマガイソウを探しているが、見つからないという話を私が振ると 、またしてもあっさりと「あった場所知ってるよ!」となり、安全な場所だそうなので、お互い子守も兼ねて出撃してみました。
しかし、よくよく聞いてみると、見たのは20年以上前の話で、そのくらい前の情報で何度も探索に出掛けましたが、 すべて不発に終わりました。
主な原因は、人の採取と枝打ち等の森林の保護が行われていない事だと思われます。
クマガイソウは竹林や杉林に多く生えていましたが、ある程度の明るさがないと、次第に絶えてしまうようです。
かつては竹林もある程度伐採されたり、杉林は枝打ちが定期的に行われていましたが、高齢化に伴い、特に里山は荒れてきています。
明るさを求めて道路や獣道の近くに生えていましたが、そこでは目立ち、人に持ち去られるリスクが高まります。
ですから自生している可能性が高いのは、ある程度の明るさが必ず保たれる川の近くの竹林や杉林を探すのがセオリーと思っていましたが、なかなか 見つける事は出来ませんでした。

Sinちゃんが案内してくれた場所は、かなり山奥の林道で、地元の人しか行けそうもない場所でした。 かつて仕事で訪れたそうです。 キンランが咲いていました。


林道沿いに小川が流れ、竹林が点在しています。まさに理想の場所です。
Sinちゃんが見たクマガイソウはある程度群生していて、時期がズレていたのか、花は咲いてなかったとのこと。
そして遂にその場所へ到着。しかし、ちょうど生えていたであろう場所は、不法投棄でゴミが溢れかえっていました。
またか・・・。
とりあえず川の中から付近を捜してみました。かなり良い雰囲気なのですが、見つかりません。
すると、子供の面倒を見ながら林道沿いを探していたSinちゃんがあっさりと「takaちゃ~ん、あったよ~」


花は持っていませんでしたが、 ついに念願の自生地発見です。さすがSinちゃん、子供の頃の探索能力を一切失っていないようです。 これで子供時に見つけた野生ラン探索は、カキランとムカデラン、ショウキランだけになりました。 ただ、ムカデランとショウキランは記憶が曖昧で、違うものかも知れませんので、事実上、カキランだけとなります。


今回の成果(コンプリート)
クマガイソウ