子供の頃の記憶を辿りながら、千葉県の野生ランを探す

カシノキラン、マメヅタラン新たな自生地発見

                

(第81回)06月

カシノキラン、マメヅタラン新たな自生地発見


今回はsinちゃんと子供の頃に見た、マメヅタランの大群生地の探索です。
通算9度目のアタックとなります。
前回のアタックから、かなりエリアを絞り込んだのですが、まだ辿り着けません。
川から沢へ、更に沢の支流を登り、目指すエリアには片道4時間近くです。
sinちゃんも今回こそ!と気合いが入りますが、私が少し遅刻して9時到着。
いよいよ突撃です。
まず、モリアオガエルの卵が出迎えてくれました。


モリアオガエルと私、sinちゃんとは縁が深く、小学生の時に当時の千葉中央博物館の館長、W先生のお陰で半ば強制的に研究した事があります。 その頃の話はまた今度の機会としまして、スマホで記念撮影


なにせ時間が掛かるので、目的地近くまで見慣れた野生ランはスルーして行こうと話していたのですが、
「あ、ベニシュスラン蕾!」
「アケボノ結構あるね!」
など、一々立ち止まってしまい、目標地点付近へ辿り着いたのは、5時間ほど経った頃でした。
落ちたら首くらいまで浸かってしまう滝壺がある滝を、3箇所登ってきたのですが、遂に底が見えないような、やばい滝壺に到着。


個人的には今流行りの「濃溝の滝」よりも素晴らしい景色だと思うのですが、濃溝は駐車場から歩いて5分で到着、こちらの滝は急いで歩いても4時間..
しかも、滝を3つ越え。
普通の方は無理ですね..
左側から登れそうではあるのですが、もしドボンするとカメラやら携帯がオシャカになってしまうので、諦めて、いよいよ斜面を登ります。
昔連れて行ってくれたおじいちゃんが、「滝があって登れないから迂回して行く」と言っていたのを覚えていたので、もしかしたらこの滝がそうで、 この先に進めば、夢のマメヅタラン大群生地に辿り着けるのではないかと!
しかし、滝のすぐ上流は崖の様になっていて、縄梯子でもないと降りられそうもありません。
仕方なく、大きく迂回できないか斜面を登っていきました。
いち早く登って行ったsinちゃんが尾根に到着。
しばらく尾根沿いを歩いていると、先に歩いていたsinちゃんの足元に「sinちゃん!足元ナギラン!!」
sinちゃんは、ナギランを見るのは小学生以来となりますので、興奮しています。


南方に行けば自生地はまだ多く残っていますが、雪が降り積もるようなこの地域での発見は子供の頃以来です。
蕾も持っていました。
sinちゃんは興奮しながらも悔しがっています。
足元のナギランに気づかずスルーしてしまったからです。
「次は俺がレアなラン絶対見つけるよ!!」

もちろんですが、木を見上げる事も忘れません。
このエリア、二人とも何かを感じていました。
先頭を歩いていた私が、木の中ほどにあるムギランを発見しました(300ミリ持参してないので撮影はスルー)。
期待は高まります。
するとsinちゃんが、「takaちゃん、あれは?!」
双眼鏡で確認すると、マメヅタランです!!
sinちゃんはナギランと同じく小学生の時以来、三十数年振りの対面です!
望遠ないので、スマホでsinちゃんの喜びだけお伝えします。


その後も次々とマメヅタランが着生している木を発見出来て満足です!
枯れている木にも沢山のマメヅタランがありましたが、残念ながら、いつかは倒れて全滅してしまうでしょう。


するとまたしてもsinちゃん、「この枯れた木の根元に沢山落ちてるよ!」




お陰でアップで撮影できました。
間違いなく、この近くに大群生エリアがあるはずですが、完全に時間切れです。
かなり遅くなってしまったので、帰らないとマジでヤバいです。
すると、sinちゃん「takaちゃん、なんか木に生えてるけど何?」
ツタの様なものが巻いていて、それが逆光気味に見えていたので、
私「ランじゃなくてツタでしょ!」
sinちゃん「いや、絶対ツタとかじゃないよ!」
仕方ないのでリュックから双眼鏡を出すと
「カシノキランだ!!」
これで2箇所目の自生地発見となります。
sinちゃんはナギランスルーの雪辱を晴らし、どや顔です。


更に腰の高さにも!




果実が付いているので、カヤランかと思いましたが、間違いなくカシノキランです。
通常8月初旬に咲くと思うのですが、5月くらいに咲くものがあるとしか考えられません。

結局目的地には今回も辿り着けませんでしたが、この近くであるのは間違いありません。
今後も探索を続けます。
アッ、ちなみに片道5時間掛けて来て、うだうだ探したり撮影してたりしたのですから、帰りがやばいに決まってます...
当然こんな感じで暗くなり...足元も見えなくなり...


林道を出た時はまさかの20時...
軽トラで林道奥までsinちゃんの親戚のお兄さんと弟君が心配して迎えに来て(救出して)下さり、事なきを得ましたが...


ぜーったいに、こんな事はやめましょう!!
次は寝袋もってかな...

今回の成果(コンプリート)
なし